スキャン代行とは?料金相場と電子帳簿保存法

スキャン代行とは、紙の書類や帳票をPDF・画像に電子化する作業を、外部に委託するサービスです。まず知っておきたいのは、「そのまま画像にするスキャン」と「文字を読み取って入力するデータ入力」は別の工程だということです。そして、領収書などを電子化して原本を捨てるには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。この記事は、スキャンで任せられる範囲、料金相場、電子帳簿保存法で代行できる範囲を、電子化を検討する事業者の視点で整理します。
スキャン代行で任せられる範囲(データ入力との違い)
スキャン代行は紙を「そのまま画像・PDFにする」工程で、手書きを読み取って入力する作業とは別です。まず、この違いを押さえます。
OCR(紙の文字を自動で認識する機能)で足りるか、人が読み取って入力する必要があるかで分かれます。文字の読み取り入力は、データ入力の工程になります。
| 工程 | 何をするか | 向いている書類 |
|---|---|---|
| スキャン(画像化) | 紙をPDF・画像にする。OCRでの文字起こしも可 | 印刷された資料、帳票、図面 |
| データ入力(読み取り入力) | 手書きなどを読み取ってデータとして入力 | 手書き伝票、アンケート |
OCRで足りるかで分けます。 手書き文字を正確にデータ化したい場合は、データ入力代行の範囲です。スキャン代行では、画像化とOCR、ファイルの命名・索引までを頼めます。
料金相場と、単価だけで選ばない理由
スキャンはA4白黒で1枚4〜15円が目安ですが、OCRや前処理を含めた総額で見る必要があります(各社の相場情報、2026年9月時点)。作業ごとの目安は次のとおりです。
| 作業 | 料金の目安 |
|---|---|
| スキャン(A4白黒) | 1枚4〜15円 |
| スキャン(A4カラー) | 1枚10〜30円 |
| OCR処理 | 1ページ5〜20円 |
| 命名・索引・前処理 | ファイル名15円/件〜、フォルダ10円〜、製本解体などは別途 |
A2〜A0の大判は単価が上がります。OCRや命名は別料金で、ホチキス外しや製本解体などの前処理も費用に加わります。単価でなく総額で比べます。 見積りは「1箱に何枚入るか」の概算から取ると、条件をそろえて比較できます。
1枚単価の安さだけで選ぶと、総額で高くつく場合があります。ホチキス外しやOCR、ファイル命名が加わって、想定を超えることがあるためです。
電子帳簿保存法のスキャナ保存で代行できる範囲
領収書などをスキャンして原本を捨てるには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。要件は国税庁が定めています。
「電帳法対応」と書かれていても、原本を破棄してよいかは、自社で要件を確認してから判断します。
| スキャナ保存の主な要件 | 誰が行うか |
|---|---|
| 解像度200dpi以上でスキャン | 代行できる |
| OCRでの文字起こし・ファイル命名 | 代行できる |
| タイムスタンプの付与・訂正削除履歴 | 自社のシステム・運用 |
| 検索機能(日付・金額・取引先)・事務処理規程 | 自社のシステム・運用 |
| 原本を破棄してよいかの判断 | 自社(要件を満たしてから) |
代行できるのは画像化・OCRまでです。タイムスタンプや検索機能の確保、事務処理規程の整備は、自社のシステムと運用の領域になります。重要書類(領収書・請求書など)は要件が多く、最新の要件は国税庁で確認します。
失敗しないスキャン代行の進め方
スキャン代行を成功させる鍵は、解像度・範囲・電帳法の要否を先に決めることです。以下の順で進めると、条件がそろいます。
- 電子化する書類と枚数(箱数)、必要な解像度・カラーを決める
- スキャンだけか、OCR・命名・索引まで頼むかを決める
- 電子帳簿保存法で原本を破棄するなら、要件を確認する
- 機密文書の受け渡し方法と、データの返却・廃棄を取り決める
- 一部を試して、仕様を固めてから本番に進む
電帳法で原本破棄するなら、要件を先に確認します。仕様を決めずに出すと、再スキャンやファイル名のやり直しが発生します。機密文書の受け渡しを取り決めることも欠かせません。
依頼先の選び方と、相談の始め方
依頼先は「サイズ・解像度・OCRへの対応」「機密文書の扱い」「電帳法の要件に沿った納品」の3点で選べば十分です。単価だけで選ばないことが大切です。
| 見る観点 | 確認するポイント |
|---|---|
| 対応できる仕様 | 必要なサイズ・解像度・OCRに対応できるか |
| 機密文書の扱い | セキュリティ体制と、データの返却・廃棄の取り決めがあるか |
| 電帳法への対応 | 要件に沿った解像度・ファイル形式で納品できるか |
機密文書のセキュリティと、電帳法の要件に沿った納品ができるかは、契約前に必ず確認します。当社も請求書業務や県ごとの事業所調査などで書類の電子化・整理を受託しており、電子化の仕様と機密の切り分けは運用上の前提にしています。
事務作業全般の考え方は事務代行とは、任せられない業務の線引きはBPOとはで扱っています。
参考
- 国税庁「スキャナ保存関係」(電子帳簿保存法。確認日 2026-09-14)
- https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/03.htm
- スキャンプロ「スキャン代行の料金相場」(確認日 2026-09-14)
- https://scan-pro.jp/useful-info/scanning-service-price-guide/
- スキャンブリッジ「スキャン代行の費用相場と見積の読み方」(確認日 2026-09-14)
- https://www.scanbridge.jp/column/1920/
- 税務申告など資格が要る業務は外注できない(税理士法ほか)。詳細は当社「BPOとは」参照
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