事務代行とは|依頼できる業務と派遣との違い

事務代行とは、データ入力や書類作成、経理補助といった事務作業を外部に委託するサービスです。人を雇わずに事務処理を進められるため、人手不足や繁忙期の対応として使われています。

ただし派遣とは仕組みが違います。事務代行では、作業者に直接指示を出せません。業務の範囲と成果物を決めて依頼する形になります。

この記事では、依頼できる業務と料金の仕組み、そして任せられない業務までを整理します。

料金は2026年9月時点で各社が公開している価格をもとにした目安です。

目次

まず確認する4項目

依頼を検討する前に、以下を整理してください。

#確認項目判断のポイント
1どの業務を任せたいか業務が特定できていないと契約できない
2月にどれくらいの量が発生するか時間制が主流のため
3作業者に直接指示する必要があるか必要なら派遣を検討
4自社独自のシステムを使うか対象外になる場合がある

3が最も重要です。ここを理解していないと、契約後に運用が噛み合いません。

事務代行とは

社内の事務作業を、外部のスタッフに委託するサービスです。

データ入力や書類作成といった定型作業から、請求書発行や記帳などの経理事務まで、幅広い業務を任せられます。新たに人を雇わずに事務処理を進められる点が特徴です。

事務作業に時間を取られて本来の業務に集中できない、という状況を解決するために使われます。

似たサービスとの違い

4つの形態があり、混同されやすいところです。

種類対応範囲働き方向いているケース
事務代行特定のタスク単位で柔軟に委託主にオンライン必要な作業だけを外注したい
オンラインアシスタント幅広い業務を月の稼働時間内で依頼オンライン業務内容が変わりやすい
BPO業務プロセス全体を一括で委託オンライン・常駐部門ごと外部化したい
派遣自社で指揮命令しながら業務を遂行常駐社内で直接マネジメントしたい

事務代行とオンラインアシスタントは、ほぼ同義で使われることも多く、明確な線引きはありません。 業者によって呼び方が違うだけ、という場合もあります。

★派遣との違いは「誰が指示を出すか」

これが本質的な違いです。

派遣では、依頼した企業が派遣スタッフに直接指示を出します。事務代行は業務委託なので、受託した会社が自社のスタッフに指揮命令を行います。

つまり事務代行では、作業者一人ひとりに細かく指示することができません。任せる業務の範囲と、求める成果物を決めて依頼する形になります。

この違いは運用に直結します。

  • 「今日はこれを先にやって」といった日々の指示は出せない
  • 作業の進め方を細かく指定することも難しい
  • 窓口となる担当者を通じてやりとりする

細かい指示を出しながら進めたい業務なら、派遣のほうが適しています。

なお、業務委託でありながら実質的に指揮命令を行うと、法的な問題になる可能性があります。判断が必要な場合は専門家にご相談ください。当社は法律事務所ではありません。

依頼できる業務

一般事務と専門事務に分かれます。

区分業務の例
一般事務データ入力、書類作成・整理、メール対応、スケジュール管理、受発注管理、リスト作成
専門事務経理(請求書発行・記帳)、人事(応募者対応)、営業事務、総務

専門事務は単価が上がります。経理や人事労務といった領域では、月額15万〜30万円程度が目安とされています。

定型化できる業務ほど向いている

判断が少ない業務ほど、外注の効果が出ます。

向いているのは以下のような業務です。

  • 毎週または毎月、繰り返し発生する
  • 手順が決まっている
  • 成果物の形が定まっている

逆に、その都度判断が必要な業務は向きません。「良い感じにやっておいて」という依頼は成立しません。

任せられない業務がある

料金表には載っていない制約です。

資格者の独占業務

法律で扱える人が決まっています。

報酬を得て他人の依頼で作成する場合、資格者しか扱えない書類があります。官公署への提出書類、税務申告書類、登記申請書類、労働・社会保険関係の書類などが該当します。

詳しくは書類作成代行の料金と依頼できない書類で扱っています。

自社独自のシステムを使う業務

基幹システムや独自ツールへの入力は、対象外になることがあります。

理由は3つあります。

  • 操作を習得する時間がかかる
  • アカウントの発行と権限の管理が必要になる
  • セキュリティ上の制約がある

該当する場合、問い合わせの段階で使用ツールを伝えてください。 契約後に判明すると、依頼できる業務が想定より狭まります。

判断を伴う業務

何をどうするかを決める作業は代行できません。判断基準が決まっていれば、それに沿った処理は任せられます。

基準が決まっていない場合、依頼を機に社内で決める必要があります。

料金の仕組み

時間制が主流です。

契約形態相場の目安
オンライン型 月10時間程度2〜4万円台
オンライン型 月30時間程度9〜13万円台
事務代行全般(月額)5万〜30万円
経理・人事労務など専門領域15万〜30万円

月10時間で2〜4万円ということは、時間あたり2,000〜4,000円の水準になります。

繰り越しと最低契約期間を確認する

月額型では、使わなかった時間を翌月に繰り越せるかが業者によって分かれます。業務量に波がある場合、この条件で実質的な費用が変わります。

最低契約期間も確認してください。 試したうえで判断したい場合、途中解約の条件が重要になります。

発生量を測ってから契約する

体感で契約すると、たいてい合いません。

まず1〜2か月、対象業務にどれくらい時間がかかっているかを記録してください。月10時間のプランを契約したものの5時間しか使わない、という状態は避けられます。

依頼前に準備すること

手順が言語化されているほど、うまくいきます。

マニュアルまたは手順書

指揮命令ができない以上、何をどうするかは事前に伝えておく必要があります。

  • 作業の手順
  • 判断が必要な箇所と、その基準
  • 例外が起きたときの対応

すべてを文書にする必要はありませんが、最低限、判断基準は決めておいてください。 これが曖昧だと、確認のやりとりが往復します。

外注しても減らない工数がある

「丸投げできる」と考えると期待外れになります。

作業そのものは減りますが、以下の時間は残ります。

  • 依頼内容を伝える時間
  • 上がってきたものを確認する時間
  • 修正を依頼する時間

最初の1〜2か月は、進め方が固まるまで確認の時間が多めにかかります。初月の負担だけで判断しないでください。

情報の取り扱いを決める

事務書類には取引先名や個人情報が含まれます。秘密保持契約の締結を前提として、以下も確認しておくと安全です。

  • 作業に使うツールとデータの保管場所
  • 作業終了後のデータの取り扱い
  • 再委託の有無

当社も事務代行を提供する事業者として、依頼前のこうした整理をお願いしています。任せたい業務が具体的なほど、正確な見積をお出しできます。


参考

以下はすべて2026年9月3日に確認しました。料金は改定される場合があります。

  • 料金の目安は、各社が公開している価格情報をもとにしています。実際の費用は依頼内容によって変わるため、個別にお見積りください
  • 業務委託と労働者派遣の区分については、厚生労働省の公表資料をご確認ください。個別の判断が必要な場合は専門家にご相談ください

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