受注代行とは?料金相場と依頼できる範囲

受注代行とは、FAX・メール・ECサイトなどで受けた注文を確認し、販売管理や受注管理といった基幹システムへ入力する受注業務を、外部に委託するサービスです。まず「受注入力まで頼むか、出荷まで頼むか」で、選ぶ相手も料金も変わります。この記事は、受注入力の事務を扱います(在庫や物流は含みません)。任せられる範囲の見極め方、料金相場、失敗しない進め方を、注文処理が増えて困っている中小事業者の視点で整理します。
受注代行の「範囲」は2タイプ。まず自社に要る範囲を決める
受注代行は「受注入力まで頼む」か「出荷まで頼む」かで、選ぶ相手も料金も変わります。同じ言葉でも、会社ごとに範囲が違います。
大きく2タイプに分かれます。入力までなら事務型、在庫や出荷まで要るなら物流一体型です。自社がどこまで手放したいかを先に決めると、比較がぶれません。
| 範囲のタイプ | 含む業務 | 向いている事業者 |
|---|---|---|
| 受注入力の事務型 | 注文の受付・内容確認・基幹システムへの入力 | 入力の手間だけ減らしたい |
| 物流一体型 | 事務型+在庫管理・出荷指示・発送・返品交換 | 倉庫や発送ごと任せたい |
本記事が扱うのは、事務型(受注入力まで)です。在庫や物流は別の専門領域になります。
料金相場と料金体系(件数で動くことに注意)
料金は受注1件あたり200〜400円が目安で、件数と料金体系で総額が大きく変わります(各社の相場情報、2026年9月時点)。処理件数が多いと100円台まで下がる場合もあります。
受注1,000件の規模では、月30万〜50万円が一般的な相場です。料金体系は次の3つです。
| 料金体系 | 決まり方 | 向いている事業者・注意点 |
|---|---|---|
| 月額固定 | 一定の件数まで定額 | 毎月の件数が読める。少ないと割高 |
| 従量課金 | 件数×単価 | 件数が変動する。繁忙期は総額が増える |
| 成果報酬 | 売上の5〜10%など | 売上連動。単価換算で高くなる場合がある |
件数が読めないうちは、従量課金から始めると無駄が出にくくなります。セール期に受注が急増し、従量課金で費用が想定以上に膨らむこともあります。これは、件数の見込みを事前に共有せず契約したことが主な原因です。
注文をどう渡すか、そして任せられない業務
受注代行は、注文の渡し方と入力ルールが決まって初めて動きます。注文の経路ごとに渡し方を決めることが立ち上げの要です。
| 注文の経路 | 渡し方の例 |
|---|---|
| FAX・郵送 | 受信ボックスの共有、またはスキャンして共有 |
| メール・電話 | 専用アドレスへの転送、受付フォームの共有 |
| ECカート・モール | 管理画面の閲覧権限、注文データの書き出し |
あわせて、任せられない業務を確認します。入力の延長で請求書の作成・発行は任せられますが、税務申告は税理士の業務で代行できません。発注者が受託先へ日々こまかく指示する使い方も、偽装請負にあたるため避ける必要があります。任せられない業務の線引きはBPOとは、事務作業全般の考え方は事務代行とはで扱っています。
失敗しない受注代行の進め方
受注代行を成功させる鍵は、入力の項目と判断ルールを先に書き出すことです。丸投げでは回りません。以下の順で準備すると、立ち上がりが安定します。
- 受注入力の項目と、判断に迷ったときのルールを書き出す
- 注文の経路ごとに、受け渡しの方法を決める
- 注文情報(氏名・住所・連絡先)の秘密保持を取り決める
- 件数の少ない経路から、小さく試す
- 処理のミス率と所要時間を見て、範囲を広げる
注文情報の秘密保持を取り決めることは欠かせません。入力ルールが曖昧なまま任せると、確認のやり取りが増えて、かえって時間がかかる場合があります。少ない経路から小さく試すと、無理なく品質を確かめられます。
依頼先の選び方と、相談の始め方
依頼先は「自社に近い実績」「必要な範囲に対応できるか」「注文情報の扱い」の3点で選べば十分です。料金だけで選ばないことが大切です。
| 見る観点 | 確認するポイント |
|---|---|
| 実績の近さ | 自社に近い商材・件数規模の実績があるか |
| 対応範囲 | 入力までか物流までか、必要な範囲に対応できるか |
| 情報の扱い | 注文情報の受け渡し方法と秘密保持の体制があるか |
必要な範囲に対応できるかと、注文情報の授受・秘密保持の体制は、契約前に必ず確認します。当社もECサイトの作成・運用や請求書業務などを受託しており、注文の受け付けから入力までを扱える範囲として、受注情報の切り分けを運用上の前提にしています。
なお、注文以外の一般的な入力作業はデータ入力代行で扱っています。はじめは1つの経路から任せて、様子を見ながら広げる進め方が無理なく続きます。
参考
- アウトソーシングプロ(グロップ)「受注代行」(確認日 2026-09-14)
- https://www.grop.co.jp/outsourcingpro/juchudaiko/
- パーソルビジネスプロセスデザイン「受注代行サービスとは」(確認日 2026-09-14)
- https://www.persol-bd.co.jp/service/bpo/s-bpo/column/order-agency/
- ロジ・ジャーナル(PLC)「受注代行とは」(確認日 2026-09-14)
- https://www.plc.co.jp/blog/acceptingorder-agent/
- 税務申告は税理士の業務(税理士法)。逐一指示が要る使い方は偽装請負にあたる(詳細は当社「BPOとは」参照)
- 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)」(確認日 2026-09-14)
- https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/gigi_outou01.html
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